人肌のPerl

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「文法最速マスター」というタイムリーなネタに半ば悪のりしてしまいましたが、はてブLivedoorクリップなどで拙稿の「Moose & Mouse基本文法最速マスター/The Fastest Way to Mastering Moose & Mouse」が先週末にホッテントリ入りしたようです。ご覧いただきましてどうもありがとうございます。

日本ではYAPC::Asia 2008などが契機となったのか、2008年の半ばにMoooooooooooooooooooose!の潮流が大きく促進されました。そして2010年の現在、MooseはもうPerlハッカーの方々だけのものではなく、私のような一般のPerlユーザーにもとても近い存在になっています。そうした土壌があることも、奏功した一因かと考えています。

思い返せば、私がMooseを触り始めたのは2008年の後半でした。2009年2月に出たlestrratさんの『モダンPerl入門』には大いに感銘を受けました。5月には2万行くらいの私的な開発案件に投入して、その威力を再確認しました。7月にGitHubのJPAリポジトリにpushされたcharsbarさんによるMoose::ManualMoose::Cookbookの邦訳版は、JPAのドキュメント和訳プロジェクトでの公開を待たずして、JPAの発表を知ったその日にPODをHTML化して印刷し、当初から印刷していた原語版共々愛読しています。これにはかなり助けられました。そして10月。YAPC::Asia特別研修「Moose入門」が開催され、中の人であるsartakさん直々の仕込みにひたすら感激しました。「最速マスター」を書けるようになったのも、ひとえにこうした方々の成果があったためです。私は日々皆さんに感謝しながらコードを書いています。

そうした感動を何とか還元したくて、スライド和訳してみたりクイックリファレンスシート(チートシート)を書いたりしました。今回の「最速マスター」もその一環として位置付けたつもりです。

二ヶ月弱もこのブログを放っておいたので、「最速マスター」をここで公開しようかとも考えましたが、先日書いた通り、perl-mongers.orgにお世話になることにしました。理由をもう少し捕捉しておくと、公益性が多少ありそうな入門記事を折角書いたのだから、ここのような「どこの馬の骨とも知れない場末ドメインのインチキブログ」で公開するよりは、「多くの方にご覧頂けそうで、かつ、公益性があって信頼の出来る場所」に公開したいと考えたからです。

公益性を感じられるドメイン名が既にあり、登録すれば誰でも寄稿出来る仕組みが既にあり、実際に多くの記事が既に投稿されている。この環境はとても素晴らしいものだと思います。perl-mongers.orgを立ち上げたvkgtaroさん、サイトを現在ホストしているworemacxさんに、とても感謝しているところです。

言語や処理系へ大会社のサポートがあるといっても、それらは実際には大して頼りにならず、そのうえ日々「バグだ」「いや仕様漏れだ」「何だと、瑕疵担保条項を発動するぞ」「そもそも要件定義からして腐っていたんだ」などと前から後ろから弾丸が飛び交う場所で設計・開発・試験して、祈りながら実行して飯を食べている私は、コミュニティーに感謝しながら楽しく設計・開発・試験して、実行結果を安心して見守れるPerlを心のオアシスとして生きているのかも知れません。

これは完全な私感になりますけれども、Rubyでプログラミングを楽しめる一方で、PerlにはCPANやコミュニティーを含めた楽しさや居心地の良さを他の言語よりも強く感じます。

Perlコミュニティーにはperl-users.jpや各地の*.pmもあります。基本文法オブジェクト指向XSなどの「最速マスター」シリーズも盛んです。勿論、こんな美味しい方法論が放っておかれるわけもなくて、他の言語の暖かいコミュニティーでもhogehoge-usersが出来たり、「hogehoge文法最速マスター」が公開されたりしています。でも、それらの嚆矢がPerlであったということは、Perlユーザーは誇ってもいいと思うのです。

私はそんなPerlが大好きです。

今般Moose/Mouseを使い始めようとする方に奉仕するのは、私の義務であり喜びでもあります。どうか、Moose/Mouseによる楽しいプログラミングを、Perlコミュニティーの体温を感じながら味わってください。

ところで、体温といえば、私は投稿した日に風邪を引いたらしくて摂氏37度になりました。ぎゃふん。

Moose & Mouseの私家版クイックリファレンスシート(チートシート)を作ってみました。

PDF版とODT版の両方を置いておきます。

moose_quick_ref.png

OpenOffice.orgは無料で入手出来ますので、オレオレチートシートの元ネタとしてもお使いいただけるかも知れません。

そもそもMooseにはOliver GorwitsさんによるMoose Quick-Ref Cardというチートシートが昔からあります。これは奥深いMooseの世界が端的にまとめられた素晴らしいものです。ただ、幾つかオレオレ仕様にしたい点がありました。

そんな日々を送っていると、『Web制作の現場で使うjQueryデザイン入門』の付録にフルカラーのjQueryチートシートが付いていることを知りました。これに触発されて作り始めたという経緯があります。

当初はこの2倍くらいの量があったのですが、だったら流行りの「基本文法最速マスター」に悪のりしてしまおうとしたのが「Moose & Mouse基本文法最速マスター/The Fastest Way to Mastering Moose & Mouse」という副産物です。

ところで、上述のjQuery本はプログラマー向けというよりは意匠デザイナー向けの本であるので、カラフルなチートシートで間口を広く取るのは大正解だと思います。一方、今回作ったMoose & Mouseチートシートは白黒灰の3色かつ無味乾燥な作りになっているので、初学者向けのチートシートにはなっていません。カラフルでA4両面くらに日本語の説明文をふんだんに盛り込んだ初学者向けのシートも併せて作りたかったのですが、意匠センスが決定的に不足しているので断念しました。

Moose/Mouseの素敵なプログラミングを体験する人が増えることを期待していますので、ナウなヤングにバカウケなイけてるシートを公開してくださる偉い人の登場を心待ちにしています。

とはいえ今回のシートも多少は物を考えて書いたつもりです。苦心した点を以下に簡単にまとめておきます。

二ヶ月弱のご無沙汰でしたが、あ、ありのまま起こったことを(略)。

MooseMoose Quick-Ref Cardというクイックリファレンスカード(チートシート)へネイティブトレートによるヘルパーメソッドだけ追加して今風にするつもりで私家版チートシートを書いていたら、いつの間にか「Moose & Mouse基本文法最速マスター/The Fastest Way to Mastering Moose & Mouse」になってしまいました。

下書きをしていたら流行りの「基本文法最速マスター」のような内容になったので、折角なので各種の情報を参考にしつつ、説明文などを追加して公開してみました。「基本」文法でないものも少なからず混じっていますが、副産物なのでご容赦ください。また、Moose用語は可能な限り元の英語を併記していますが、Moose用語以外の英語への訳出はいい加減です。ごめんなさい。

誤っている点, ご不明な点, 冗長すぎてかえって初学者を混乱させかねないため削除すべき点などがありましたら、上記記事へのコメントやトラックバックなどでお寄せいただければ幸いです。適宜改訂します。また、CC-BYライセンスなので、「とても見ていられないので俺が全面的に書き直してしまえ」という企ても歓迎です。

まったく、時の経つのは早いもので、2009年の年の瀬も押し迫ってきました。夏休みの宿題を9月に入ってから終えるという悪癖があった私のことですから、今年を総括する記事をこんな時刻に書き始めるのも無理からぬ事です。

しかし、新学期の開始日と時間割を突き合わせ、例えば中学校では

  • 理科Iは月・火・金に授業がある
  • 新学期は9月1日水曜日に始まる
  • 故に理科Iの宿題は9月2日木曜日中に片付ければよい

という嫌らしい打算で生きて来た私にとっては、むしろこのくらいが普通の生き様とも言えます。

ともあれ、今年2009年を一言で表現するのであれば、ただひたすら「感謝」の一年だった、ということになります。

アセトアルデヒドの勢いで変な物を書いたような気がします。書きかけですけれども。

Games::DateTime - A simple date and time object on any games

screenshot_of_p5-games-datetime.png

たまには脇道に逸れて、ff14.nameおよびff14.asia向けの部品的なモジュールを書くというのも、気分転換に良いかも知れません。何に対しての気分転換かというと、独り身の帰宅路で涙にむせぶ件といったところでしょうか。

上掲のスクリーンショットのような「時計」であればFlashやJavaScriptでもよく見掛けるのですが、「ローカルタイムな地球現在時→仮想世界の現在時」以外に

  • 仮想世界の日時→地球の日時方向への変換
  • ローカルタイム以外のタイムゾーンへの対応
  • 地球日時もしくは仮想世界の日時の指定
  • 時間計算(地球および仮想世界の両方)

などが出来る「日付時刻クラス」というのは寡聞にして知らないので、書きました。取り敢えずググって要件を見つけられたのはFF11だけでしたが、起点日時の対称が見付かれば、プレースホルダー的に置くだけ置いたEverQuestなどの実装にも対応出来るかも知れません。

ちなみにスクリーンショットの時計はライブラリー本体ではなくexamplesディレクトリー以下のおまけであるGames::DateTime::Clockです。ff14.nameやff14.asiaでは、最終的にはこれとGames::DateTimeをJavaScriptに移植することになります。

なお、Acme::*以下の名前空間にするかどうかは考え中です。また、テストは酔いが覚めてから書く予定です。などと書いていると肝臓が明日も泣きそうな気がします。

備忘録ですが、MooseX::AbstractFactoryで、ファクトリーメソッドに指定する具象クラス名(の一部)を指定する際にエイリアスを使えるようにしています。ただしHashRefを渡さずにエイリアスクラス名(の一部)を渡す際には、宝箱を開ける為の鍵が当該宝箱の中にあるような状態で、いまいちです。

Mooseの型制約を遅延設定するMooseX::Types::Games::DateTime辺りの小細工(実装クラスに依存してwhereブロック内の振る舞いを規定する、など)については、稿を改めようと思います。

  • 1日24時間という世界の具象クラスではhour0 <= $_ && $_ < 24の範囲になり、
  • 1日30時間という世界の具象クラスではhour0 <= $_ && $_ < 30の範囲になる

という要件があったときに、事前に(静的に)それぞれ別の型制約を作らずに、最大値を具象クラスから引っこ抜いて型制約で使うということです。これもまたいまいちな実装ですけれども。

追記: テストを薄く書いてバグを除いたほか、見本の時計はロケールにも対応させました。また、cp932でなくUnicodeなコンソールでの字詰めの問題等々を解消しています。上記スクリーンショットも差し替えています。全角半角の「文字幅」の取り扱い方については、(時間があれば)稿を改めて備忘録を起こす予定です。

JPerl advent calendar 2009 hacker track22日目を執筆させていただきました。

補足情報を簡単に記します。

本サイトはFF14のプレイヤー向けウェブシステムの開発日誌という位置付けですので、FF14の話題にも触れておきます。

遂にFF14のベータテスターの募集が始まりました。2010年の正式サービス開始予定を前に、開発も佳境に入っていることとお見受けします。大変期待の持てる作品であり、末永く愛されることを願ってやみません。

さて、応募に際しては必要事項を色々記入することになりますが、いくつか気掛かりな内容がありました。といっても、馬鹿正直に書いた内容が裏目に出たらどうしよう、という心配事でしかないのですが。

PerlのDIコンテナーであるOrochiは、作者である牧さん(lestrratさん)ご本人がFukuoka.pmFukuoka Perl Workshop #14スライドのp.46で「循環依存の解決は実装できてない」と書いていらっしゃいます(参考:平田さんの「Fukuoka Perl Workshop #14に行ってきた」の記事)。

ただし、これは私にとっては特段の制約事項とは感じません。循環依存するようなクラスは、場合にもよりますが、私の場合には大抵クラス設計を誤って陥る泥沼状態であるからです。

とはいえ、クラスが複雑に絡み合う事態は起こり得るので、依存関係には気を付ける必要があります。ただ単に依存がぐるぐる回ってバターにならないようにすることは勿論ですが、依存関係を実際に注入する処理でも気を付ける必要があります。この処理は、dannさんの記事の通り、Java界隈ではwiring(ワイヤリング)という用語が充てられます。

で、そのwiringで気を付けるというのは、具体的には、inject_classの実行順が依存の逆順であってはならない、という点です。当たり前といえば当たり前なのですが、うっかりしていました。

以下はその備忘録と解説です。

Moose/Mouseベースのクラスをテストする際には、本筋とは離れたところで一工夫が必要になることがあります。

例えば以前の記事「Arkアプリケーションの開発者テストでTest::Perl::Criticを使う」では、Test::Perl::Criticに於いて、use Mooseなどでuse strict構文も代替した場合でも、Perl::Critic::Policy::TestingAndDebugging::RequireUseStrictに引っ掛からないようにする方策を例示しました。

これに関連して、メソッド(やファンクション)についてPOD内での言及が網羅されているかを検査するTest::Pod::Coverageで、Moose/Mouse用の一部メソッドの記述を省いてしまいたい場合があります。

具体的なメソッドは、例えば

  • BUILDARGS()
  • BUILD()
  • DEMOLISH()

などのフックポイントです。

私は、PODというものはモジュールの使用者向けの資料であって、内部実装について開発者へ向けて事細かく書くような資料ではないと思っています。場合によりけりですが、基本的にはそうした考えに基づいてPODを書いているつもりです。

そうすると、例えばBUILDARGS()に於いてどのようなパターンで引数の読み替えをするか(例えばIntなスカラー値1つを渡されたら{ epoch => $value }に読み替えるなど)を書くよりも、素直にnew()についての記述を設けた方が良いということになります。

ということで、PODにそれらを書かずに、Pod::Coverage自体の機能を活用することで、「ためにする文書化」(手段の自己目的化)を避けることにしましょう。

all_pod_coverage_ok(
    {
        also_private => [qw(
            BUILDARGS
            BUILD
            DEMOLISH
        )],
    },
);

具体例としては、拙作DBICx::Modeler::Generatorの開発者テストであるxt/pod_coverage.tなどを挙げておきます。

なお、Kwaliteeを高くすることなどを目的とした「やせ我慢」について以下で補足しておきます。

Perlでクラス(モジュール)をアンロードする方法として、Class::Unloadを使っています。

Class::Unload->unload('Some::Unneeded::Class');

当初、木本さん(perlcodesampleさん)による「クラスをアンロードする方法」の記事や、そこで言及されているClass::MOP::Class::DESTROY()を参考にして、以下のようなアンロードメソッドも書いてみました。その後、用途に適合するClass::UnloadモジュールがCPANで公開されていることが分かったので、自分の場合はこれを活用させていただこうと思った次第です。

いつの日かClass::Unloadがどうしても使えない場面に立ち会ってしまったら、これを引っ張り出してこようと思います。「だが、私はCPANを使えない!」の全ての処方箋が通用しないという、あまりぞっとしない場面ですが......。

sub _unload_class {
    my ($self, $class) = @_;

    my @route_to_class = split '::', $class;

    # unload class in target library which is dump target of generated classes
    # cf. http://d.hatena.ne.jp/perlcodesample/20091101/1246274997
    # below codes stolen from Class::MOP::Class::DESTROY()
    {
        no strict 'refs';

        # delete inheritance information from @ISA
        @{
            $class . '::ISA'
        } = ();

        # delete class symbol from symbol table
        %{
            $class . '::'
        } = ();

        # delete class symbol from upper namespace
        delete ${
            join '::', @route_to_class[0 .. $#route_to_class - 1], q{}
        }{
            $route_to_class[-1] . '::'
        };

        # delete loading information
        delete $INC{
            (join '/', @route_to_class ) . '.pm'
        };
    }

    return;
}

なお、上記はとあるクラスのメソッドとして実装していますが、$selfは使っていないので、単なるサブルーチンにも出来ます。

ところで、普通に暮らしているだけではクラスをアンロードしたいと思う場合が殆ど全くありません。アンロードしたいという稀少な事例の一つとして、拙作のDBICx::Modeler::Generatorでクラスをリロードするという例を掲げておきます(該当箇所はfcf4b0de...コミットに於けるDBICx::Modeler::Generator::Classの147行目です)。

このモジュールについては稿を改めてご紹介するつもりです。

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