LLTV (Lightweight Language Television)、お疲れ様でした

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今年もJUSのLightweight Languageカンファレンスが開催されましたので、参加して参りました。LLTV (Lightweight Language Television)という題名です。出演者の方々・協賛各社および各団体・そしてスタッフの方々に、今年も深い感謝を捧げます。

折角なので、少し長文となりますが、雑多な感想を記してみようと思います。

さて、今年は「テレビ」にちなんだ演目でセッションが構成されたのですが、元ネタと内容の親和性が高かったのは(「それっぽかった」のは)「ビフォーアフター」くらいで、他は親和性という意味では微妙なところもありました。もちろん、私自身がテレビというメディアを普段ほとんど観ないので、その辺の受け取り手側の問題を考慮する必要があります。そして、これが大事なところですが、元ネタなどというものは飾りです。LLらしい自由な発想で、テーマを着想の一つとして大らかで実りの多い番組を期待していましたし、それは叶ったと思います。

いずれの番組もとても興味深いものですが、詳細な内容は他の多くの方のブログや月曜辺りに上がりそうな各メディアの記事などをご覧いただこうと思います。それらは記事の末尾にあるリストに追記していきます。

この記事では、個人的に特に興味があったり、私が記事にし易かったりする番組をいくつか振り返ってみることにします。

なお、今回のアンケートを実施中だそうです。

朝から生テレビ

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各LLの最新動向や今後の展望について、パネリストと司会が熱く語り合う討論バラエティです。各LLの最新動向といっても、Perl, Ruby, Python, PHPであれば、このサイトの拙い技術話が通じる方であれば概ねご存じのような内容です。川合史朗さんの括弧の世界は少々ディープですが、それは措くとして......。番組としては、むしろLLを取り巻く技術動向や未来の動向についての議論が主体となりました。

といっても司会がパネリストを「ちょ、ちょっと待って、今foobarさんが何か言った!」と制するような白熱感はなく、良い意味で落ち着いた語り場になったと思います。

Perl枠としては、本物の朝生への出演経験者でもある小飼弾さんが「朝生は久しぶり」と小ネタをちりばめて登場。積極的に口火を切っていらっしゃいました。

落ち着いた酒飲み話

落ち着いたという表現を斜に構えてしまうと、グダグダ感と表現することも出来るかも知れません。よしおかひろたか(吉岡弘隆)さんなどは、「飲み屋で親父三人が酒飲み話をしているみたいなグダグダ感」などと形容していらっしゃいましたが、後進の身としては正にそういう酒飲み話もありがたいと感じます。ベンダーが金を掛けて主催・後援している真面目なカンファレンスで真面目な顔をして、技術者というよりもうちょっと上のマネジメント層を相手にした話も有用でしょうけれども、今回の語り口はこのカンファレンスの参加層に向いていると思いました。

営業がサービスやソフトウェアを売るためのカンファレンスではないので、ここで得た気付きをすぐに会社に持ち帰って何かをするというよりも、浅くてもいいから(いや、それなりに深いですが)広くLLやプログラミングやソフトウェア工学などを俯瞰してみて、情報受信のアンテナを高く張ったり、中長期的な潮流を感じ取ったりすることが一番大事なのではないか、と考えるゆえです。

勤め先は勤め先で偉い人の酒飲み話がとても参考になるのですが、あいにくLLとは縁がないガチムチの会社なので、その意味でもこういうカンファレンスでの酒飲み話はとてもありがたいものがあります。

並列化が熱い! or 熱くなる!

事前のアンケートで寄せられたネタだと思いますが、俎上に載ったネタとして一番活きのいいネタだったのは並列化です。

あれよという間にPCのCPUでさえもマルチコア・メニーコアの時代がやってきました。ただ、ソフトウェアの面でそれを生かし切れているかというと、私も含めて、まだまだかなり厳しいものがあります。FF14などはPS3のヘテロジニアスマルチコアや、PCのマルチコア・メニーコアにも対応した実装となるような話がありますが。

とにかくマルチスレッドとなるとデバッグが大変です。デバッグは基本的に時系列で頭から追っていくような代物なので、複数本のスレッドがあると途端に面倒になります。「デバッガを使ったら負け」という精神論があるなどと紹介されましたが、

  1. 会場の参加者に「右手を挙げろ」と言えば一斉に挙げられる
  2. 「隣の人と反対の手を挙げろ」と言うとまごつく
  3. 予め番号を振っておいて、「奇数の人は右・偶数は左」と整理しておけば、これは一斉に挙げられる

という例は、なかなか巧い例だと思いました。1番目は並列化を意識しなくて良い世界です。2番目は何も考えずに並列でやらせた場合。言語の方でマルチプログラミングの面倒は見きれないという限界ですね。しかしプログラムする側が3番目のような決め事を作っておくと効果的な結果を得られます。

可能ならばforeachでなくmapで書くなど、並列化を意識した作りを心掛けておく必要性は納得のいく物でした。また、それも含めて、一種の富豪プログラミングとして、ハードがリニアに進化すればソフトの性能もリニアに進化するような作り方をしておくことが大事というのも道理があります。例えばSQL。

「デバッガを使ったら負けなので(バグを出さないように)テスト駆動型開発をする」というのも、マルチスレッドを真に操れるデバッガがない現状では、防衛的かつ実績のある開発手法ということです。LLなどは、特にPerlはテストをとても大事にする文化があるので、その意味では未来は決して暗くないと感じました。私も、将来マルチスレッドで気持ち悪いデバッガをゴリゴリ動かしたくない、という新たなモチベーションを得て、これまで以上にテストを豊富に盛り込みたいと考えました。

OSがCで書かれてきた都合上、今のCPUと相性がいいのはやはりCで、Java VMネイティブなCPUなどは規模の経済性で没になる、いわんやLLをや、とのこと。さすがにLLを書くならハードは所与の物として考慮せざるを得ませんね。

Androidが熱いかも

ハードウェアもムーアの法則まっしぐらで進化するしソフトウェアも当然進化しているけれども、その乖離が年々大きくなっていないかという小飼さんの問いかけは、なるほどうなずけるものがあります。仕事をする上では分業はとても大事で、効率が良くなる。しかしそればかりでは進化がないというのは、なかなか厳しい二律背反です。

その文脈で紹介いただいた日本アンドロイドの会には、ハードからソフトまでいろいろな人が参画しているとか。ここ数日のニュースだと、AndroidでPerlが使えるようになるかも、という話もあるので、興味深く見て行きたいと思います。リソースがPC等に比べると貧弱とはいえ、あまり携帯携帯していないところとか。

LLフィーリングカップル

意外と社会派

案内を拝見した限りでは軽めの話になるのかなと少々不安だったのですが、議題や企画意図の陳述を通じて、これは社会派な企画なのだなと思いを改めました。

  1. 国力は一人頭の生産性と労働人口の掛け算で決まる。
  2. 日本は少子高齢化を迎えている。
  3. 将来の労働力人口は確実に減る。
  4. 女性の働き易い・カムバックし易い環境を社会として考えて作っていかなければならない。

という話は至極もっともです。勤め先がけっこう本気になっていて、私も各論や社内の具体的な施策はともかく総論としては賛成しているので、「そうかLLカンファレンスでもこのネタをやるようになったのか」という感慨がありました。

なお、司会やパネリストは当日発表ということだったのですが、JPA代表理事でもいらっしゃる牧さんのブログを拝見していて、出られるとしたらここだと思っていたら当たりました。当選景品はありませんか(ないない)。1分CMも熱かったです。

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コードというよりプロジェクト全体を通しては男女差があるのかも

コードそれ自体では男女の癖がないというのは同感です。ただ、企画やサービスとして女性が関わっていると細やかな気配りがあるとか、逆に男性は「CodeReposに置いておいたんであとよろしく」といったように「おもてなし」がまだ行き届いていないとか、なかなか鋭い視点もありました。

見栄えという意味でのデザインはそっちのけで、HTMLのDOM論理構造の美しさやコードロジックの洗練性を気にするのは、正に私そのものです。どうしてもビューは後回しになりがちです。といってもユーザーの立場であれば、みすぼらしいシステムよりは綺麗で格好いい見栄えだとか、使い易いサイト構造・ページレイアウトというUIデザインでなければ、そもそも使おうという気にもならないでしょうし、使い続けようという気にもまたならないでしょう。

牧さんなども、「実装してみたけれども表面はベタHTMLで、あとで時間があるときによしなにデザインしてくれない?」というプロジェクトがリポジトリにいくつもあるとか。私が現在開発中のFF14プレイヤー向けウェブアプリケーション"Amikeco"では、デザイン周りにも気を使わないとまずいなあという危機感を新たにしました。

もうやめて! 男性陣のライフは0よ!

技術者がお付き合いの相手としてどうか、という質問への答えとしては、ちょっとした技術用語が通じる相手だと良いという意見が多かったのですが、プライベートで仕事の話をしたくないので遠慮したいという意見もありました。

より発展して、一緒に仕事がし易い・し難い異性の類型や、どんな会社なら就職したいかという、女性が働き、働き続ける場として求められているものは何か、という話題も論じられました。

全体を通してみると、やはりコミュニケーションが大事ということに尽きますね。男性の目から見ると意味不明な買い物行動を巡回セールスマン問題でどうにかしてやろうとか、今は話を聞いてもらいたいモードなのか結論を出したいモードなのかの状態遷移図が欲しいだとか、色々なネタがありますが、まずは相手の話を最後までよく傾聴するというのが大事というところです。

男性陣としては「もうヒットポイント0です」という状態になりましたが、これは仕方ないですね。世の中はけだしそういうものです。私も気をつけないとなあ。あと、これは私がまた風邪を引いた後の病み上がりだったからかも知れませんが、話を聞く・重い荷物を持つなどのほか、冷房をガンガン入れないことも一つの配慮だと思いました。といってもこれは会場側で集中制御しているのかな。

LLとはあまり関係なし

ただ、全体的にLLというよりは情報技術者全般についての話でした。コミュニケーションが大事だねという共通解は明らかとなったのですが、LL的なスパイスが欲しかったと思うのは、贅沢な悩みでしょうか。

渡る世間は雲ばかり

Windows Azure, Google App Engine for Java (GAE/J), JRuby(Java VMでのRubyの実装), Google App Engine for Python (GAE/P)の4論客が、バズワードと化した感のあるクラウドの4様態を紹介した上で、クラウドの持つ可能性を語り合いました。

一応MSの荒井省三さんのスライドの文言をお借りして整理しておくと、クラウドとして総称されるサービスをもう少し細分化すると、以下のようになります。というか、なるそうです。私はPaaSとIaaSを混同気味だったので、クラウドの基本的な用語の勉強になりました。

  • SaaS (Software as a Service) : Salesforce.comなど、完成形のソフトウェアを提供するもの
  • PaaS (Platform as a Service) : GAEやWindows Azureなど、開発プラットフォームを提供するもの
  • IaaS (Infrastructure as a Service) : Amazon EC2/S3など、VMやハードウェアノードやネットワークなどのインフラを提供するもの
  • DaaS (Database as a Service) : MSのSQL AzureDBなど、データベースを提供するもの

用語も怪しい私が書くのも変な話ですが、黎明期という言葉をチャンスを見出すか、不安定さを感じ取るかは、それぞれの人のバックグラウンドによって大きく変わると思います。ひがさんを中心として、このセッションで特に主張されたメッセージとしては、やはりその二面性の魅力に尽きます。

誘惑に負けずにテストを書く!

PerlがGAEに入りそうとかいや無理そうとか、結構前のニュース以来、その後の動向を追えていないのですが、次に気になるのはやはりGAE/Jです。勤め先は一応Javaも使っている(ただ単にその箱で動く言語というくらいの選択意図しか見えず、設計と実装が結構薄ら寒いのですが)ので、GAE/Jという鬼に金棒的な存在は強い興味を覚えていて社内ブログにも書き散らかしていたりするので、ブログを通して私淑しているひがやすをさんのお話を楽しみにしていました。

議論については上記の通りチャンスである旨を熱く語っていられたのですが、ここで一つネタにしておきたいのはその前の、4者4様のクラウドの紹介での出来事です。

GAE/Jの紹介をされたひがさんは、Jobsよろしく舞台の真ん中を行き来して語り始めます。ソフトウェアには特徴がなければいけない。日本のソフトウェアに合致しそうな特徴はテスト駆動型開発(TDD)ではないか。国民性としてカイゼンとかテストが好きだし。ということでGAE/JでのTDDをデモしてみる、という出だしです。

しかし気になるのはひがさんの足下。マイクやらプロジェクタ出力やらのコードが這い回る舞台で、ひがさんの足がほとんど毎歩コードに引っ掛かります。おそらくお話ししながらでも足下に注意が行き届いているのでしょう、つんのめることはないのですが、少々はらはらしてしまいます。しかもお隣のMS荒井さんと正反対のラフな格好で、靴は流行のゴムサンダルです(エスカレーターの巻き込まれ事故などの新聞報道や、近所の店で売っているので造形は知っているのですが、Google画像検索でFROGDALなるラバーサンダルだという名前を始めて知りました)ので余計に。

などとどうでもいいことにはらはらしていると、いよいよデモの始まりです。他の人の実際の開発をじっくり拝見する機会というのは、会社にペアプログラミングという文化がない私にとってはとても貴重です。そして始まったデモですが、これは本当の実演で、出来合いのシステムを動かしてお仕舞いというのではなくて、テストを書いて実装して動かして確かめるという一連の作業を全部見せていただけます。ここだけは「LL三分間クッキング」という番組名にする案もあるなと考えていると、刻一刻と発表の時限が迫ってきます。司会の方にあと1分と宣言を受けたとき、まだ実演は真っ最中です。さて、どうするのでしょうか?!

個人的なLLTV最大の緊張ポイントはここです。人・物・金・時間と、プロジェクトに割けるリソースは無限ではありません。そんなとき、SIerやユー子SEやPGerはどうすべきか? 勤め先ならば間違いなく「自転車操業」で済ませてしまって後の工程や後発プロジェクトに後ろ足で砂を蹴り上げるところです。

ひがさん曰く、「時間がないということで、本来であればテストを書いてから実装するところですが、今回は省略して......」あぁ、やはりひがさんといえども時間には勝てないのか、と思った次の瞬間。「という誘惑に負けず、テストを書くことにします」とひがさん。会場大拍手。私は感動しました。そりゃあたしかにリソースは有限さ。ただ、本当にびた一文の融通が利かないことはあまりない。開発者として真に重要だと自信を持って言えるのであれば、胸を張って「TDDは大事です。だからテストは省きません。ゆえに時間をもう少し使います」と堂々と言うべきなんだ、と。こりゃあ参った。ひがさん、しびれます。

無事オールグリーン。そして「折角なのでもう2、3分」。この押しの力はすごい。そうして成功裡にTwitterもどきというか、いわゆる一行掲示板が完成しました。いやあ良かった良かった、と会場の誰もが胸をなで下ろした瞬間。「どうせなのでデプロイしましょう」とひがさん。これには司会の方も苦笑い。それでも会場は結構受けています。配備のプログレスバーが伸びるのを一番もどかしく待っていたのは、司会の方か、次の発表担当であるJRuby担当の高井さんか、会場の観客一同か、ひがさんご本人か、いずれも拮抗していたように思えます。ということで無事ローカルだけでなくGAE/Jでも動いてひとまず終了。最後はちょっと悪のり感があったかも知れませんが、TDDの信念の強さに免じられた感は大いにありました。

それと、今日の流行言葉の一つである「最近のJavaはLLだ」は、社内でも言ってみたくなる魔力がありますね。

クラウドの勉強もこつこつ始めないと......

RDB的な考えを止めるという大きなパラダイムシフトが求められているにせよ、黎明期からガツガツできるかなあと思い始めたのは老いの始まりかも知れません。取り敢えず開発中の"Amikeco"はRDBを前提とした物の作りではあるのですが、そろそろクラウドも視野に入れた勉強(GAEのBigTableのようなKVSをデータストアとする設計など)もこつこつ始めないと枯れた技術者になって仕舞いかねないな、という恐怖感や希望がないまぜとなった新鮮な気持ちになりました。

なお、「ひがさんの所為で時間がおしちゃって」「(RoRを知っている人の挙手を求めて)ほらJavaの200倍くらいいるじゃないですか」などという高井直人さんとひがやすをさん(「さっきはJavaに詳しい人という質問だったじゃないですか」)の軽口の掛け合いは、見ようによっては互いへの愛あればこそクラウドという一つ屋根の下できつく当たってしまう......という筋書きに合っているような気もします。

Python枠で、GAE/P用WAFにご子息と同じKayという命名をされた、家族愛に満ちた松尾貴史さんは強気に「Javaの2000倍じゃないですか」という数字を持ち出されたりして、総じて和気藹々とした楽しいセッションでした。松尾さんのLTでのドラムロールも、47インチ大銅鑼とあわせて、とても印象的でした。

結論:習うより慣れろ。うーん、至言です。単に丸投げするだけのSIerは滅びるのでは、とも。私の勤め先がどの程度危機感を抱いているのかは神のみぞ知る。

大改善!! 劇的ビフォーアフター

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なんということでしょう、いずれも劣らぬ変態(もちろん褒め言葉です!)リフォームの匠が、その技術を尽くしてコードをハックします! 一番実装に近いネタで、笑いも一番大きかったような気がします。

Rubyの匠「fortuneをナウなヤングへバカウケに」(fortuneラッパーをRubyで書く)

いわゆるフォーチュン・クッキーのコマンドであるfortuneを、今風にリフォームしてやろうというtakano32さんの野心的な試みです。

まず国際化。Perl版からRubyに移植されているWWW::Mechanizeを使って、excite翻訳にクエリを投げるという仕組みです。やっぱりどこかへんてこな翻訳になります。いや、これはむしろ取っ付きにくい高尚な文面を愛らしい翻訳にするんだ! と解釈することにしました。

次に今風に。デモでダイクストラの言葉が出て来たように、どうも高尚過ぎないかと。そこで、ナウなヤング向けに、占いカウントダウンのWebページをスクレイピングしてしまおうと。そしてスクレイピングする皆が浴びる洗礼であるところの、気持ち悪いHTMLの論理構造に躓きます。まあtableレイアウトの世界だもんなあと嘆息しつつ、そこはテキストブラウザw3mの力を借ります(-dump -T text/htmlを使うそうです)。やっぱりW3C原理主義とは言わないまでも、Web標準には或る程度合致していないと辛いね、という共通認識を再確認させられました。

最後にアウトプットも。twitterに結果を投稿したりも出来るよ! 匠からのお願いとしては、Rubyは1.9.x系列を使おうね! 例えばヒウィッヒヒーみたいなシンボルも使えるよ!

......という、ネタ感たっぷりのリフォームでした。例えばPerlだと、はてなとかでも本文抽出エンジンに使っているらしい、HTML::ExtractContent辺りの力を借りると、外部プログラムのお世話にならなくて済むかも知れないと思ったりしました。

Vimperatorの匠「Firefoxでもlsslとtypoしない」(FirefoxをVim風操作していてもslを矯正する)

Vimperatorは始めて知ったのですが、Firefox + Vimという感じです。で、コマンドlsがあるので、slを実装しようという話です。teramakoさんによります。

このセッションは特にそうですが、実装ネタがあると、私などは「これは自分のいつも使っている言語ではどう書くだろう」という思いがほとんど反射的に頭に浮かびます。ということで、Perlでslがあったかどうか、後で調べてみようと思います。ついこの間Term::ANSIColorWin32::Console::ANSIでおふざけ起動画面(ルパンIII世サブタイトル的にタイプライター的な文字出現が出来たり、色がぐりんぐりん変わったり)を作ったので、結局その延長線上で出来るんじゃないか、とか会場で思ったりしました。

オチとしては(タブ一覧をただ表示するだけの)lsよりも普通は(タブを選択可能な)buffer!を使うよね、というところでした。いやー、安定性がちょっと気になりましたが、Vimperator自体は面白いと思ったので、今度試してみようと思います。

括弧の匠「文字列置換でない、真のマクロをお見せしましょう」(Cの書式をS式にしたCiSE)

Cの書式に「ちょっとだけ括弧が付いて見た目が変わった」という、S式なCであるところのCiSEで、システムプログラミングに向いたCが備えている弱点をマクロで征服してしまおうという、野望に溢れるリフォームです。朝生に続いて川合史朗さんが登場。

内容としては、一言で表現するとマクロによる抽象化リファクタリングです。単なる文字列変換ではない構文木変換の威力を大いに見せつけられました。

存在自体で笑いを取れる(失敬)S式だとはいえ、S式の優美さ・強力さをおぼろげなりとも知っているからこそ笑いになる、だけれども自分ではやっぱり敬遠してしまうという、気になるあの娘的な実装です。確かに優美で、使いこなせれば強力だなあという思いを新たにしましたが、その分「S式かあ」という思い出し笑いの引き出しがまた一つ増えたような気もします。

パイプの匠「全部シェルスクリプトで繋げましょう」(無印良品の店舗向けシステムをDBレスで実装)

シェルで良品計画のシステムを作り上げてしまった當仲寛哲さんは、(他の方がLTに出られた)USP友の会にも所属していらっしゃいます。30段パイプのオンラインシステムは、なんだかメインフレームのバッチシステムを想起させる物があります。でも、速い!

会社の昔の部署の上司が、社内ブログで無印の話をしていたことをふと思い出しました。

なるほど、コロンブスの卵的な発想の転換というか、ノーガード戦法というか、全部テキストファイルで管理して、システムはUNIX文化を生かした「小物プログラムを連携させる」シェルスクリプトで実装するというのも、一つの解としてはありなのかな、と思いました。grep最強。流石に自分では二の足を踏んでしまいますが、無印ほどの規模でもこういうことが出来るというのは、結構新鮮な驚きでした。

それと、データを全履歴持つという表現を「昔の大福帳と一緒です」と表現出来ることも一つの営業力だなあと感心したりしました。

その他色々!

捨ててもいいスケッチを先に

プロトタイピングネタでは、プログラミングに於ける「早過ぎるの最適化」の例も引いて、プロトタイピングよりもまずはスケッチだという方法論が勉強になりました。確かにプロトタイピングだとは言っても、時間や金を掛けてしまうと、どうしてもそれに引きずられてしまいそうなのは、人間の心理としてうなずけます。捨てられるスケッチをまず大量に用意するというのは、勤め先でもプライベートでも使いたい方法論です。

You形態素解析しちゃいなYo

ライトニングトーク(LT)では、私がエスペラント翻訳システムを個人で開発していることもあって、形態素解析ネタが個人的にヒットしました。まあPerlであればMeCabのバインディングであるText::MeCabを使います、他の言語であれば例えばYahooの形態素解析サービスを使います、というところですが、実装としては「動詞の前に、(テレビということで、日比谷公園で捕まった例の件に絡んで)とある格好をした状態を示す形態素を付け加える」という際どいネタです。

「この世界を浄化するためには、破壊の後の再生あるのみだ!」「この腐った世界にだって精一杯生きている人たちがいるんだ!」という映像が脳裏に生成される、sshでIPアドレスを生成してrm -rf /する最終破壊装置ネタも笑えました。

全部で10本のLTがあるのですが、どれも新鮮な切り口だと感じると同時に、LTの難しさもまた感じました。しかし、Macユーザーが年々増してきていますねほんと。

まだまだ他にも!

まだまだ他にもためになる・楽しいセッションがあるのですが、あまり夜更かししてしまうと、寝て起きたら投票が締め切られていたりすると末代までの恥(今回が特別というわけでは全くなく、単に皆勤賞でないと国民として駄目だよね、という意味)なので、取り敢えずこの辺でお開きとさせていただきます。

物販など

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今年はこれあるを想定した書籍購入計画を敷いていなかったので、販売されている書籍のうち、購入して読みたいと思ったものはみなすべて購入済み。たとえばオライリーの場合は10%引き&消費税なし・4000円でTシャツ贈呈・6000円で布バッグ追加・8000円でタンブラー追加という大盤振る舞いでしたが、まあ別の機会でオライリーグッズを入手できるだろうという希望的観測を掲げることにしました。

一方でオライリースペースには1回300円のガチャガチャがあったのですが、どの筐体も核弾頭でした。中身もそうですが、筐体の神々しいサインが特に。「ここにあるの全部ください」という台詞はこういうときに発するのかと思いました(いや、発しませんでしたが)。

そんなこんなで、まつもとゆきひろさんのサイン入り筐体に300円を投入してぐりっと回してきました。結果、Programming PerlとDebug Hacksのカンバッチが1つずつ、Beautiful Codeのキーホルダーが1つという感じです。特賞として書籍が当たるようですが、そこまでの引きはありませんでした。ただ、どれか一つのカンバッチといえばやはりラクダ本以外に考えられないので、その意味では満足しました。

毎年恒例抽選会は外れ。ボールを掴もうとしたのが失敗で、勢いを殺しきれずに落球しました。コツとしては、やはり捕球する瞬間に手首を後ろに下げて、ボールの勢いを殺して「ふわりと受け取る」ことが良いのだと思います。何の話をしているんですか私は。

ということで当選した皆さん、おめでとうございます! 私が2年前のLL SpiritでいただけたDOM Scriptingの本でその分野の体系的な勉強を始めたように、今日出会った書籍によって新たなLLの世界が拡がることを期待しています!

うん、痩せようね......

写真には、他にLLTV入場識別カンバッチ(再入場などのためにも使用)や、今年から屈辱のサイズアップで申請したTシャツも映っています。うーん、何とか来年はMサイズに戻したいものです。

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本項は適宜追記中です。

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このページは、Gardejoが2009年8月29日 22:40に書いたブログ記事です。

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